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2016年02月16日

後期から大正時代


泉 鏡花(いずみ きょうか)がいる。
作風としては、江戸文芸の影響をうけ、
怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られている。
古典的な文体のため、
現代人にとっては読みづらい作家でもあるが、
どうしてどうして、
今でも売れているそうだ。


彼が、生まれ育った街である金沢の
花街を舞台にしたものが多い。
そのせいか、骨董品を鑑賞する如く、
読みふける人も多いという。

私生活でも変人ぶりを発揮するようなところも
多かったそうだ。
そのエピソードの一つを紹介すると、

「あるとき、彼が小説を書いていたところ、
漢字がわからなり、妻に訊ねると、
(よくある如く) 空中に、その字を書いて示すと、
しばらく経って、『その文字を早く消しなさい』と
真顔で怒るように言った」
という。神聖な文字を残しておくと、
その文字が死んで、
祟りをもたらすという意味だったようだ。
そのような、神秘性の世界が彼にはあった。

鏡花の小説に、
『革鞄(かばん)の怪』という短編小説がある。

それは、ある旅行者の男が旅館に持ってきた
床に置かれた革鞄の中から
夜になって人の声が聞こえてくる、、

というところからストーリーが展開される。

いかにも怪奇趣味的な書き出しだが、
カバンというものは、
何かしら不気味で神秘的な雰囲気を持つものらしい。

カバンと言えば、
ここしばらくの事件で、
オウム事件の特別手配容疑者だった高橋克也被告が、
逃走時に持っていたとされる大きなカバン。
広島で起きた小学生をカバンに詰めて監禁した事件など、
カバンに関連する事件が多かった。

カバンの不気味さを如実に示す事件のように思える。
鏡花が表現したように、
カバンというものには、神秘性が潜んでいそうだ。
  


Posted by weetears at 18:56Comments(0)